人生を動かすフレーズ9:思慮深き人よ、奮い立ち、努めはげみ自制及び克己により、どんな激流も押し流す事が出来ない島を作れ。

名言9

 思慮深き人よ、奮い立ち、努めはげみ自制及び克己により、どんな激流も押し流す事が出来ない島を作れ。

 

 今回もブッダさんのお言葉です。このフレーズは言葉通りに捉えると「どういう意味だろう。」と悩む方も多いと思いますので本日は先にこのフレーズの読解をしていきたいと思います。

 

 まず、どんな激流も押し流す事が出来ない島とは何かを私なりの解釈で説明したいと思います。島とは簡潔に申し上げるなら、あなたの心です。そして激流があなたの周りの出来事であったり、この世の時流等の外的要素です。あなたは生きる中で様々な悩みを抱えます。学校、会社内の人間関係や社会に対する不満など例を挙げればきりがないでしょう。その自分を苦しめる要因は0にすることが出来ないもので、毎日、突発的に出てきてしまうものです。この現象全般をブッダさんは荒れ狂う川の流れに例えて激流と表現しています。では何故ブッダさんは私たちの心を島と例えられたのか。小さな島で何の対策も講じられていなければ激流に立ち向かえずあっという間に流されてしまう事でしょう。しかし大きな島で、激流に対する対抗措置が整っている島であれば激流に動じる事は御座いません。そしてこの島の広さとはあなたの心の広さであり、激流の対抗措置はあなたの生活する上での心構えです。もしあなたが向上心がなく怠けて過ごしているならあなたの島(心)はずっと小さいままで日頃の心がけもなく学ぶ意欲もないなら激流に対する対抗措置(心構え)もおぼつかなく、さながら更地の様になってしまいます。その状態ではこの厳しい激流(生きるのが大変な世の中)に耐える事はできずきっと流されてしまいます。ではどのように島を大きくしどのように対抗措置を講じるのか。その答えが前文の「奮い立ち、努めはげみ自制及び克己により…」なのです。自制と克己は似たような意味でつまり自分に打ち勝つ事。自堕落な己や欲深い己を奮い立って押さえつけて人間として立派になっていく事これこそが激流に耐えうる島を作る手段なのだとブッダさんは仰っている訳ですね。

 

 さて、読解はここまでにして今回はこれを元にある疑問の答えを書いていきたいと思います。それは、「生きるのに疲れてどうしたら楽になれるのか探る為にこのブログにたどり着いたのに、ここに書いてある事はどれも大変そうな事ばかり。自分に打ち勝つ?常に努め励む?ただでさえ仕事で疲れているのにその上さらに疲れそうな事ばかりじゃないか!」というお気持ちです。恐らく昔の私がこのブログを読んだらそう思うでしょう。そして読者様の中にもいらっしゃるかと思われます。そのお気持ち、とても分かります。しかし今回の「思慮深き人よ、奮い立ち、努めはげみ自制及び克己により、どんな激流も押し流す事が出来ない島を作れ。」というフレーズがこの答えとなります。では解説させて頂きましょう。

 

 先に無礼を承知で申し上げますが、あなたは今小さな島だと思い込んで下さい。その島は更地で何一つ激流に対する対抗措置もありません。それが今のあなただと思いこむのです。そして人生とは常に上手くいくわけではなく、突発的にたびたび思いもしないような苦痛があなたを襲います。その苦痛の瞬間を豪雨による激流だとお考え下さい。今のあなたは豪雨の度に流され、流される度に1から小さな島を又作り、それで満足してしまいまた豪雨が来て流され又小さな島を…の繰り返しのような状態です。それでは豪雨(日常で起こる苦痛)の度に疲れ果ててしまいます。そこで島を大きくて、対抗措置も講じようとある日あなたは決意します。しかしそれは並大抵の道ではありません。あなたは毎日島を大きく為に埋め立てによる人工島をせっせと作りあげます。どう作り挙げるか初めは無知なのでその為の心構えが書いてある教本も読み始めます。毎日せっせと作り上げながら教本で休みなく勉強している生活。それはどんなに辛い事でしょう。ある時は豪雨の中で流されそうになっても島の為にもがきながらあなたは働きます。そうして長い年月が経ち、あなたはとうとう大きくそして立派な激流対策もされた島を完成させます。きっとあなたはその達成感に涙を流すでよう。「私こんなにがんばったんだ。すごく辛い毎日だった。でも私はやり遂げたんだ。」と。そしてそれからはどんな豪雨が降りどんな激流がきてももはやあなたの敵ではなくなりました。激流の時も心穏やかに平和に悠々と過ごせるようになったのです。もうあなたの島を脅かす存在はなくなりました…という様なおとぎ話ですがこれが答えです。心穏やかな毎日を手に入れる為にはその人間としての器(大きな島)作りを始めなくてはなりません。それは容易ではありません。常に学び励むのですから初めは苦痛で泣きながらの作業になります。しかしあなたの人間としての器(島)がある程度大きくなり、激流に動じなくなってからはあなたは誰よりも心穏やかで平穏な人生を歩んでいるでしょう。どんな不幸や失敗(激流)にも動じないあなたがそこにいるはずです。それこそが今、あなたが励み努めなくてはならない理由なのです。

 

 最後に自分語りで恐縮ですがまだまだとはいえ私の島もだいぶ大きくなってきたと自負しております。小さな島の時は毎日が辛く、泣いていた私も毎日コツコツと島を大きくしていくしていく事で激流に動じなくなりました。その過程は大変です。しかしある程度大きくしてしまえば、あなたはもう大丈夫。どんな事にも穏やかに対処でき常に心が平和でいられる様になっているでしょう。

 

平穏な兎より